新電力はなぜ安いの?一体どこから電気仕入れてんの?「知れば納得」

    ※当記事はアフィリエイト広告を利用しています。

    「新電力って今話題になっているけど、なんで大手の電力会社より安いわけ?なんか、競争がどうとか市場原理がどうとか言われても、よくわかんないんだよなあ。それに新電力とかってそもそも自社で発電所持っているのかな?色々わかんないわ。」

    ふむ、確かに何で新電力が安いのかって謎よな。

    オニギリス!

    心理カウンセラーで節約研究家(宅建、簿記2級取得済み)のオニギリです。

    今回もよろしゅう!!

    今回の話題は「新電力はなぜ安いの?一体どこから電気仕入れてんの?「知れば納得」」という話です。

    今回は以下の様な方に向けておおくりします。

    こんな人が読むと役に立つよ

    新電力が何で安いのかわからなくて、その理由について気になっている人
    新電力の電気の仕入れルートについて気になる人

    節約といえば固定費の節約が重要です。

    電気代の節約は固定費削減の中でも非常に効果が高いもの。

    大手電力会社から新電力に移行すると、場合によるものの年間で2万円近くの削減になったりすることもあるようです。

    例えば、業界最安値レベルのエルピオでんきに移行して、実際に2万円近くの削減を実現している人たちもいる模様。

    ただ、こういった事例を見ていると、「そもそもなんで新電力は、こんなに安くできるんだろうか?」等と疑問がわいてきますよね。

    こういった新電力の安さの秘密に迫ってみるには、まず「電力ビジネスの仕組みがどうなっているか」といった事からの理解が不可欠です。

    というわけで、今回は少しだけ電力ビジネスの実態の一端に触れて見ましょう。

    では、ゆるりとおおくりします。

    目次

    新電力は確かに安い

    新電力は安いです。

    これは紛れもない事実ですね。

    資源エネルギー庁が公表した電力小売全面自由化の進捗状況(2017年7月7日)(P.7)によると、新電力は従来の電力に比して販売単価が約4%安くなっているとのこと。

    以前の規制料金単価が22.2円であったのに対して、新電力は0.9円安い21.3円にまで下がっているようです。

    そして、新電力が安い理由としては以下の様なものが一般的にあるとされています。

    • 大規模な設備投資が必要ない
    • ターゲット層を絞って料金単価を決められる
    • 電力だけで大きな利益を得る必要がない

    以下順次簡単に捕捉。

    ・大規模な設備投資が必要ない

    新電力が安い理由の一つとして言われるのが「大規模な設備投資が必要ない」というものです。

    既存の電力会社は地域全体の消費者が最も多く電気を使う時に、ショートが起こったりしないようピーク時の使用量を考えて非常に大規模な設備投資を行っており、莫大なコストがかかっているんですね。

    実は、その費用は電気料金に含まれており、これまではその費用を消費者側が支払っていたといいます。

    一方、新電力はある程度のターゲット層を絞って電力を供給することで、小規模な設備で運営できるようになっています。

    加えて、管理する範囲が狭いため人件費も安く済むそうな。

    つまり、この項目をまとめると「新電力は従来より設備投資と人件費がかからないから安い」という事になりますね。

    ・ターゲット層を絞って料金単価を決められる

    既存電力会社は地域全ての人を対象に電気を供給するので、世間一般の電気使用量を考えて料金設定を行っています。

    一方、新電力はターゲット層を絞って料金単価を決めているため、自分の使用状況等に合ったプランを探し当てることができれば大幅に料金を安くできる可能性があるんですね。

    ・電力だけで大きな利益を得る必要がない

    既存の電力会社は電力事業に特化しているので、電力事業で稼がない事には収益が上がりません。

    それに対して、新電力会社は他の業界で活躍していてそこにそもそもの強固な収益基盤を持つ会社が、電力自由化を機に電力業界へ参入してきたケースが多いため、電力事業での利益が小さくても、メイン事業で利益を増やすことができれば問題がありません。

    つまり、伝電力会社には収入源が2つ以上あるので、電気料金を安くしやすいというわけです。

    さらにいえば、新電力会社はメイン事業と電力事業を両方契約した人に対して、セット割引を設けていたりします。

    例えば、Loop電気やエルピオでんきはガスと電気のセット販売を行っていますね。

    これは電力事業を通じメインの事業の契約数増を図ったり、メイン事業の勧誘と同時に電力事業の勧誘を行うことで宣伝広告費をおさえるなんて事が可能になり相乗的に利益を生み出していけるという事を意味しています。

    電力ビジネスの大まかな仕組み

    では、そもそもの電力ビジネスの仕組みについても簡単に見ておきましょうか。

    電力ビジネスは、大きく分けて3種に分けられ、それぞれを行うにはライセンスが必要になります。

    • 発電(生産)
    • 送配電(輸送)
    • 電力販売(小売り)

    ※送配電事業だけは、現状自由化されていない

    ふぬ、こうやって分けてみると飲食業と似ている感じがしますねえ。

    ただ、電力ビジネスが他の一般的なビジネスと決定的に違う点に、「需要と供給をリアルタイムで一致させないと大規模停電リスクがある」という事があります。

    このリスクがあるがために、電力ビジネスに関しては計画値同時同量制度というものが設けられているんですね。

    なお、大半の小規模小売電気事業者は需給管理を外注しています。

    計画値同時同量制度について詳しくは以下。

    参考

    https://www.emsc.meti.go.jp/activity/emsc_system/pdf/037_04_00.pdf

    以下、簡単に各ビジネスの要点だけを捕捉してみます。

    ・発電(生産)

    発電は文字通り、電気をつくること。

    発電所により作られた電気は、相対契約、または卸電力市場を通じ末端の消費者に届けられます。

    ※相対契約とは、法人間(企業間)で個々に取り交わされる契のこと。大きな工場の自家用発電機で作られて余った電気などが、相対契約により取引されているとのこと。

    ただ、発電所のほとんどは関西電力等といった大手電力会社によって所有されており、新電力の多くは発電所をもっていません。

    ※現在、東京電力と中部電力に関しては、発電事業を別会社(子会社)化している模様。

    そのため、2016年の電力小売全面自由化の影響で電力市場に参入してきた多くの新電力、つまり小売電気事業社たちは、電力卸市場であるJEPX(日本卸電力取引所)や相対契約等によって電気を調達している現状です。

    ※現在、JEPXの利用率が販売電力量の3割を超える規模にまで拡大しているという。

    発電(電源調達)コストは、供給している電力全体のコストの半分程度を占める。そのため、このコスト削減が競争力に大きく影響する。

    小売電気事業者の目線に立つ場合、最も大きなコストとなるのは「発電(電源調達)コスト」であり、その供給している電力全体のコストに占める割合は半分程にまで達するとか。

    小売電気事業者の立場としては、相対契約とJEPX(卸電力市場)のそれぞれを上手

    に組み合わせることで、電気の調達コストをいかに下げるかかが大事になってくるというわけです。

    電気の仕入れルート等については後で詳述します。

    ・送配電(輸送)

    送配電事業は、発電所にて作った電気を需要地まで届けるビジネスです。

    なお、送配電事業には送電線や配電線のみならず、変電所や電力メーターの管理なども含まれています。

    2020年4月1日以降は、大手電力会社の送配電部門はすべて発送電分離が完了し別会社(子会社)化している模様。

    小売事業者の目線に立った場合、発電(電源調達)コストの次に大きなコストとなるのが送配電網の利用料である「託送」コストです。

    ただ、送配電網については自由化がおこなわれていないので、10社の送配電会社がほぼ独占しており、新規参入した電気小売事業者には価格の決定権がありません。

    託送料金は実量制の場合、年間のピーク電力により決まる「基本料金部分」と、利用した電力量で決まる「電力量(従量)料金部分」に分けられます。

    ※実量制とは、基本料金の算定根拠となる契約電力を、メーターによって過去1年間(その1月と前11カ月)にわたって計量した最大需要電力により決定する契約方法のこと。

    電力量(従量)料金部分に関しては、1単価プランと昼と夜で単価が異なる2単価プランがあり、需要家ごとにどのプランを選択するかが小売電気事業者としては重要になるんだそうです。

    んー、なかなか託送料金をやすく抑えるってのは難しそうですねえ。

    ・電力販売(小売り)

    電力自由化の流れに乗って電力市場に新規参入してきた各小売電気事業達にとって、上記「発電(電源調達)コスト」「託送コスト」の二つがコストの大部分を占めるので、どうやってこのふたつのコストを抑えるかが利益を出すうえで大事になってきます。

    ちなみに、実際の小売電気事業者たちは単にこの二つのコストを抑えるだけでなく、それ以外にも「ガス」や「通信」とのセット販売や、再生可能エネルギーの割合、顧客のニーズに合った料金メニューの設定などの付加価値つけていますね。

    新電力の会社はどこから電気を仕入れているのか?

    では、新電力の会社た一体どこから電気を仕入れているのかについて具体的に見ていきたいと思います。

    新電力の電気の仕入れ方法については以下のようなものがある模様。

    • 卸電力取引所(市場調達)
    • 相対契約による電力調達
    • 自社発電所で発電
    • バランシンググループ
    • 常時バックアップ(大手電力会社からの供給)
    • インバランス

    以下順次簡単に補足。

    卸電力取引所(市場調達)

     電気は「日本卸電力取引所」という市場で日々売り買いされているのです。

    株式や外国為替などを想像すると分かりやすいですね。

    卸電力取引所においては、発電所を持つ企業が売り手となり市場に電気を売り出します。

    そして、新電力や大手電力会社などが買い手となることで取引が成立するんですね。

    となみに、1日を30分単位に区切った枠により価格が決まり(例:16:00~16:30を1kWhあたり10円)、取引価格は一日の中でも大きく変動するといいます。

    ※卸電力取引所で売りに出た電力の87%が大手電力会社からのものだったという(2018年1~3月)。

    なお、卸電力取引所でがタイミングによっては取引価格が暴騰することもあります。

    その場合、市場価格に連動する料金プランである市場価格連動型料金プランを利用している消費者はダイレクトにその電力価格の高騰が電気代としてフィードバックされてしまうことになりますね。

    ※多くの新電力は仕入れ価格変動リスクを自社で負っている。

    そのため、市場価格連動型料金プランを提供しているネイチャースマート電気の様な新電力会社は、高騰に備えて電力の購入単価の上限を決めるなんて対策を始めています。

    相対契約による電力調達

    新電力会社の中には、発電所を持つ企業と直接契約し、電気を仕入れている会社もあります。

    発電所を保有している企業には、大手電力会社の他に石油会社や製鉄会社、製紙会社などがありますね。

    そういった発電所と一対一で契約をすることで、電気を仕入れるというわけです。

    相対取引による電力調達は、卸電力取引所から調達する場合に比べ、仕入れ価格を安定させやすい等のメリットがあるといえます。

    自社発電所で発電

     少数ではありますが、新電力会社の中には自社の発電所を保有している会社もあります。

    例えば、東京ガスやENEOSのような石油会社は自社の火力発電所を保有していますね。

    そして、太陽光や風力発電などといった再生可能エネルギーの発電所を自社開発して、そこで発電した電力を供給している会社も多い模様。

    需要バランシンググループ

    需要バランシンググループとは、専門的な言い方をするなら、

    「インバランス(計画と実績の差異)の精算を実施する事業者の集団(単位)」

    のことです。

    、、、よくわかりませんよね、これだけでは。

    要するに、複数の新電力で集まって自分たちの抱える顧客の需要に対して、適切に電力供給を行えるようにしようって話なんですね。

    特に、小規模の新電力の場合は需要の変動率が大きくなりがちで、調達する電気の量を需要と一致させるのが難しいという問題を抱えていますからこのように集団を形成することは利益が大きいといえましょう。

    また他にも、電気を調達をする際に交渉力が高まるなどのメリットもあるようです。

    そのため、最近では、バランシンググループを利用する新電力会社が年々増えているといいます。

     なお、バランシンググループ自体は、卸電力取引所や発電所を持つ企業と契約して電気の調達を行っているそうです。

    常時バックアップ(大手電力会社からの供給)

    常時バックアップとは、新電力の電力需要のうちの一定量を大手電力から調達する仕組みのこと。

    上述したように新電力会社は発電所を持っていないことが多く、また卸電力取引所の取引量が充分でないので、このような制度が設けられています。

    環境が整えば、将来的には無くなる可能性がある制度といえそうです。

    インバランス

     新電力会社には自社の顧客の「需要」と、「電力の供給」を一致させる義務があります。

    しかしもし、その義務を果たせなかった場合、送電網を管理する会社が電力会社に代わって需要と供給を一致させることになるんですね。

    このような仕組みのことをインバランスと言います。

    仮に、1200kWhの需要があったにもかかわらず、900kWhしか調達できなかったとしたら、300kWhは供給できないのでインバランスとなるという事です。

    インバランスが発生してしまうと後で料金を精算する必要があり、その際の価格は日本卸電力取引所の取引価格に連動して変動します。

    ただ、ペナルティ的な要素があるために、市場価格よりも割高になってしまうのが問題です。

     逆に、需要よりも多くの電気を調達した場合、割安な価格で買い取りが行われることとなりますので、需要を正しく予測できないとインバランスを多く発生させ経営がひっ迫するという事になりますね。

    ちなみにですが、電力・ガス取引等監視委員会の資料(平成30年6月19日)によれば、新電力の電力調達先は以下のようになっているそうです。

    • 卸電力取引所:36.9%
    • 常時バックアップ:14.7%
    • 残りは自社発電所や相対取引など

    4,まずは、試算して比べてみよう

    ここまでいろいろと電力ビジネスに関することをくどくどと述べてきましたが、まあ実際の消費者としては「実際に電気代が安くなればいい」だけです。

    正直、今から電力市場に参入してビジネスを始めようって人でもない限り、あまり深く知る必要はないかもしれません。

    一般消費者としては、

    「とにかくまずはシミュレーションしてみてどれだけ得をするのか」

    を調べてみるとのが大事でしょう。

    以前、わたしが色んな電力会社でシミュレーションを行ってみたところ、エルピオでんきが一番削減額が大きかったので「電気を日ごろから沢山使う人」や「3人家族」の場合はエルピオでんきがおすすめでしょう。

    ただ、電気を日頃から沢山使わない人や一人暮らしの人に関しては、かえって電気代が高くなるケースもあるのでそこは注意が必要です。

    電気代がどれくらい安くなるかシミュレーションしてみる

    おわりに

    この記事は「新電力はなぜ安いの?一体どこから電気仕入れてんの?「知れば納得」」と題しておおくりしました。

    今回はなぜ新電力が安いのかについて考えるために、少しばかり電力ビジネスの仕組みについて踏み込んでみましたが、正直余計に頭が混乱した人もいるかもしれません。

    なので、一応最後に大雑把に総括しておきますと、新電力会社にとっての最大のコストは「発電(電源調達)コスト」と「託送コスト」でありこの二つを以下に低く抑えるかがビジネスで収益を出すための要といえます。

    なので、各電力会社の安さの秘密について推測をしていこうと思うなら、この二つのコストを低く抑えていく仕組みをどうやって構築しているのかに着目するといいでしょう。

    あとは、簿記をシッカリと勉強して財務諸表を読むのもいいでしょうな。

    ま、いずれにせよ、われわれ消費者からしたら「とりあえず安ければいい」のでそこまでいろいろと考えなくてもいいかもしれませんね。

    ま、とりあえず、シミュレーションしてみましょ。

    では!

    電気代がどれくらい安くなるかシミュレーションしてみる

    参考

    https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/004_03_00.pdf

    https://www.unisys.co.jp/solution/lob/energy/glossary/bg.html

    参考記事等

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