おにぎり若くないと価値がないんか?



いや、必ずしもそれは正しくないね。
最近は、エイジズムやルッキズムの進行によって、「若くないと価値がない」という考え方がかなり蔓延してきている印象です。確かに、加齢で頭のキレは落ちるし、容姿のレベルは落ちるし、、と「人間は若くないと終わり」といった感覚を持つような人は、多いと思います。
そんな感じですから、本当に若くないと価値がないのか、気になりますよね?結論から言うと、若くないと価値がないという考えは必ずしも正しくありません。その理由は、以下の通りです。
「若くないと価値がない」が必ずしも正しくない3つの理由





やはり、経験によって社会的知恵は向上するってのが大きいね。
若くないと価値がないと考えてしまうのは、そもそも加齢で生物としての能力は衰えるので、当たり前です。ただ、人の価値を生物的価値と社会文化的価値に分割して考えると、生物的価値が終わっても社会的価値をあげておけば、何も問題なくなります。そして社会的価値をあげるためには、まずは自分軸を確立することが必要です。
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「若くないと価値がない」が必ずしも正しくない2つの理由





若くないと価値が、ないんか?



必ずしも、正しくはないんやで。
まずは、「若くないと価値がない」が必ずしも正しくない理由について、見ていこうと思います。「若くないと価値がない」が必ずしも正しくない理由は、以下の通りです。
「若くないと価値がない」が必ずしも正しくない理由
- 理由①:経験によって社会的知恵は向上する
- 理由②:心理的成熟が人生満足度を高める



それぞれ、詳しく見ていこう!
理由①:経験によって社会的知恵は向上する


「若くないと価値がない」が必ずしも正しくない理由の1つ目は、「経験によって社会的知恵は向上する」です。
若さと処理速度・新奇問題解決能力(流動性知能)は関連するとされますが、人生経験を通して蓄積される結晶性知能(知識・語彙・判断の蓄積)は成人期にわたって伸び続け維持される傾向が示されています。



ふむ、結晶性知能かあ、、初めて聞いたわ。
つまり、「速さ」は若さの得意分野ですが、「深さ」や「洞察」、「文脈判断」といった要素は年齢とともに強くなる傾向にあるわけですが、これは実際に統計的に確認されています。そのため、「若くないから価値がない」といういい方は、かなりの極論といえそうです。
参考:A strong dependency between changes in fluid and crystallized abilities in human cognitive aging
もっとも、こうした経験知をきちんと現場で出力するためには、最低限度の体力や健康といったものが必要なのは自明なので、アラサー以降は心身のメンテナンスをきちんと意識した方がいいと思いますよね。
老化研究が飛躍的に前進しているとはいえ、それらの成果に全面的にあやかれるのは10年くらい先になりそうな気がしますからね、、、それまではきちんと自己管理したいですね。
理由②:心理的成熟が人生満足度を高める


「若くないと価値がない」が必ずしも正しくない理由の2つ目は、「心理的成熟が人生満足度を高める」です。
「若くないと価値がない」という意見の背景には、「若年期の方がそれ以降よりも未来への希望の満ち溢れ幸福感が高い」という発想が存在することがあります。



ん?ただしくないんか?
というのも、複数の大規模研究において、人生の幸福度は若年期で比較的高く、中年で落ち込むがその後再上昇する「U字カーブ」を示すと報告されているからです。
また、年齢とともに人生の残り時間を意識して、現在指向で情動的に満足できる活動や親密な人間関係を重視するようになりますが、これが幸福感の増進に寄与するとの見方は実証的支持も豊富ですね。そのため、「年を取る=不幸」は、必ずしも妥当せず、若くないと人生に価値がないとは言えません。
参考:The U-shape of Happiness Across the Life Course: Expanding the Discussion
加齢で体が劣化して言っても、精神的に成熟することができれば、むしろ若年期よりも幸福感を強く感じて生きていくことも可能でしょう。
「若くないと価値がない」という考えが蔓延する4つの理由





「若くないと価値がない」って考えは、なぜ蔓延しているん?



理由は以下の4つやね。
つぎは、「若くないと価値がない」という考えが蔓延する理由について、考えていきたいと思います。「若くないと価値がない」という考えが蔓延する理由は、以下の通り。
「若くないと価値がない」という考えが蔓延する理由
- 理由①:加齢で生物としての能力は衰える
- 理由②:SNS等メディアによる刷り込み
- 理由③:社会構造・労働市場の偏り
- 理由④:若い成功者が可視化された



それぞれ、詳しく見ていこう!
理由①:生物としては繁殖可能年齢が重視される


「若くないと価値がない」という考えが蔓延する理由の1つ目は、「生物としては繁殖可能年齢が重視される」です。
進化心理学の観点では、年齢は繁殖力や生殖成功と結びつくシグナルであり、特に、若さは生殖上の手がかりとして選好されやすいのは厳然たる事実です。これが文化・環境を超えて若さが、高く評価される最も強力な理由といえるでしょう。



まあ、せやなあ、これは納得だわ。
そのため、こう言っては何ですが、男女ともに年が上がってくると性的魅力は低下してくるので、生殖の観点からは30も半ばを過ぎればかなりの確率で戦力外で生物的には死にます。ネット上で、アラフォー以降に婚活している男女を嘲笑する風潮があるのも、ここら辺が関係してそうです。
実際、結婚制度自体は、そもそも安心して子供を育成する基盤を確保するためのものですから、もはや生殖的に意味をなさない個体が結婚した所で、、と思われるのも仕方ないかなと思ったりします。ま、そもそも結婚するかどうかなど、個人の自由ではありますが。
理由②:SNS等メディアによる刷り込み


「若くないと価値がない」という考えが蔓延する理由の2つ目は、「SNS等メディアによる刷り込み」です。
SNSを含むメディアでは、連日、少子高齢化問題からルッキズム関連の話題まで幅広く、老いへのヘイトを加速させるような情報が発信されています。



せやなあ、、、なんかわかる気するわ。
特に、視覚中心のSNSや広告は、見た目の若さを強調しやすく、比較・評価の指標を外見に偏らせるので、現代日本の「若さ至上主義」を形成する元凶の最たるものと言えるでしょう。実際、SNS利用がボディイメージや比較意識を高めると報告されています。
参考:Social Media and Body Image Concerns: Current Research and Future Directions
2025年現在の日本では、年々ルッキズムが加速していますが、それは同時にエイジズムの加速も意味しています。「老いている=醜悪で嫌悪すべき状態」という価値観は、以前にもまして若年層を中心に強固になっている印象があります。
老人を見て、「あんな風になるくらいなら早く死んだ方がいい。私は人間として死にたいんだ」等という人も実際にいるくらいですから。老人=汚物のような見方をしている人は、結構増えている気がします。そのため、これからは「いかにも老けている状態」は、ハラスメントの一種として扱われるかもしれない、、と個人的に思っています。
理由③:社会構造:労働市場の偏り


「若くないと価値がない」という考えが蔓延する理由の3つ目は、「社会構造:労働市場の偏り」です。
体力や長時間労働を重視する職場、あるいは年齢偏見(エイジズム)が残る産業では、若さが有利に働く場面が存在します。こうした構造的要因が「若さが価値」とする文化を再生産しているともいえるでしょう(なお、OECDなどは高齢労働の活用を政策課題として扱っている)。



まあねえ、、実際、若い方が体力はあるからなあ、、。
もっとも、業種によっては、経験値によって体力の衰えをカバーできる余地が十分にある場合もあるので、かならずしも「年がいって体力が低下した者は生産性がないので存在する価値がない」とはいえないんですけどもね。
「若くないと価値がない」という思い込みを打破する3つの方法





「若くないと価値がない」という思い込みを打破したいねん、、。



有無、では以下の3つを実践しようぞ!
つぎは、「若くないと価値がない」という思い込みを打破する方法について、考えていきたいと思います。「若くないと価値がない」という思い込みを打破する方法については、以下の通りです。
「若くないと価値がない」という思い込みを打破する方法
- 方法①:自己概念を多様化する
- 方法②:認知の歪みを修正する
- 方法③:自分の大事にしたいものを見つける



それぞれ、詳しく見ていこう!
方法①:自己概念を多様化する


「若くないと価値がない」という思い込みを打破する方法の1つ目は、「自己概念を多様化する」です。
自己を複数の役割・関心で構成すると、1つ(例:若さ)に依存する脅威が小さくなり、ストレス耐性や幸福感が保たれることが実証されています。



ふむ、そうやな。一つに執着すると、危険やろな。
そこで、以下に自己概念を多様化させる方法の実践手順を、提示していきたいと思います。
自己概念多様化の実践手順(6週間プログラム)
紙に「私の10の顔」を書く(職業、友人、趣味、親、学び手、メンター、志向する価値など)。
各顔について「今週の充実度(0-10)」と「その顔が自分にとって重要か(0-10)」を判定する。
スコアが低くても重要なのに放置している顔を一つ選び、週に1回小さな行動(30–60分)を入れる(例:料理、ボランティア、習い事など)。
選んだ顔を活かせる場(コミュニティ、サークル、オンラインフォーラム)に一度参加する。
前と比較して「自己評価」と「不安度(年齢に関する)」がどう変わったかを記録する。
小さな成功体験を積むことで、「自分の価値は年齢だけではない」という内的証拠を作れるので、地道に行動していきたいものです。
「若くないと価値がない」という思い込みを打破したいなら自己概念を多様化しよう
方法②:認知の歪みを修正する


「若くないと価値がない」という思い込みを打破する方法の2つ目は、「認知の歪みを修正する」です。
「若くないと価値がない」という考えは、臨床的には明らかに認知の歪みといえます。そのため、認知行動療法によりこうした歪んだ信念を再評価して、現実的出た既往的な見方に変えていくのが最善です。
参考:The Efficacy of Cognitive Behavioral Therapy: A Review of Meta-analyses
認知の歪みとは現実を極端に偏った、非合理的な方法で解釈してしまう思考の癖のこと



認知の歪みを修正、、なんか難しそうやな、、。
なお、認知の歪みを修正するためプロセスは、以下の通りです。
「若くないと価値がない」という思考に対する修正行動の実践手順
1週間、年齢に関するネガティブ思考が出たら記録する(状況・感情・思考の内容)。
記録に対し、次のように問いかける。
検証質問
- その思考の証拠は何か?(事実)
- それに反する反証は何か?(実例)
- 最も確からしい中間の見方は何か?
例:「年齢を伝えて仕事の提案をする」、「年上の専門家に話を聞く」など、小さな試験を行い結果を観察する。
行動実験の結果を元に信念の更新を試みる(成功や肯定的フィードバックを内的証拠にする)。
「若くないと価値がない」という思い込みを打破したいなら認知の歪みを修正しよう
方法③:自分の大事にしたいものを見つける


「若くないと価値がない」という思い込みを打破する方法の1つ目は、「自分の大事にしたいものを見つける」です。
自分の大事したいものを見つける事で、自分軸が確立されて、外部評価(若さなど)に揺さぶられるリスクが格段に減少します。



ふむ、自分軸、、、人生の背骨みたいなもんなのかな?
人生において大事にしたいものを探索する方法は、色々とありますが、まずは「自分の人生にどうあってほしいか?」と自分に問いかける事から始めてみるといいかと思います。この方法だけでも、ある程度、大事にしたいことは見つかるでしょう。
ただ、より詳細に自分の大事にしたいものをはっきりさせたい方は、以下の記事で提示されている方法を実践してみて下さいね。
「若くないと価値がない」という思い込みを打破したいなら自分の大事にしたいものを見つけよう
「若くないと価値がない」に関するFAQ





まだ、気になる事があるんよなあ、、。



んじゃ、最後に疑問に答えていこうかの。
最後に、「若くないと価値がない」に関する疑問に対して、答えていきたいと思います。
FAQ①:エイジズムに遭ったらどうする?


エイジズムにあった場合は、まず事実を記録(日時・相手・発言)し、信頼できる第三者に相談するのが、一番いい解決策ではないかと思います。また、労働環境なら人事や労働相談窓口を活用するのが最善でしょう。
また確かに、年々ルッキズムとエイジズムは加速している気がしますが、当たり前のことながら、ネットでは狂信的なルッキストやエイジストたちの存在感が大きいだけで、実世界ではそこまで、、という事は往々にしてあります。
エイジズムを強く内面化している人は、そこまで多くない可能性は非常に高いですから、エイジズムにあっても「そんなことは関係なく自分に親切な人もいる」という思考は常に持ちたいものです。
FAQ②:意地でも老いたくないなら死ぬしかない?


その気持ちは、非常によくわかります。確かに、現状、生きている限り年々体は劣化していくので、老人になりたくないのであれば、本格的に老化が始まる前に自ら命を絶つしかありません。残念ですが、これは間違いない事実だと思います。
ただ、ここで「じゃあ、自殺しよう」と決心するのは早計です。というのも、以前の記事で少しふれたように、老化治療に関する研究は、ここ数年のAI研究の進展と相まって、異常なほどに加速しており、希望的観測にはなりますが、皮膚の遺伝レベルでのほぼ永続的な若返りに関しては5年以内に実現しても全くおかしくありません。
もちろん、その後は、脂肪、筋肉、骨、リガメント、脳全体、全身、、と徐々に若返れる範囲が拡大していきますから、今死んでしまうのは完全に早とちりです。希望をもって生き続ける事が、本当に大事だと思います。もう昔のように若返りが夢物語な時代とは、違うんです。
若くないと価値がないは半分正解だけど半分不正解!まずすべきは自分軸の確立作業!


若くないと価値がないは、半分正解だけど半分不正解です。若くないと価値がないと考えるのは、生物としての能力、具体的には認知能力や運動能力、性的魅力といったものは加齢で衰えるので、当たり前と言えば当たり前の発想だと思います。
ただ、人の価値を生物的価値と社会・文化的価値に分割すれば、生物的価値が低下しても社会・文化的価値は生涯積み上げていけるので価値がなくなるなんてことはありません。社会・文化的価値をためるためには、人生の方向性を定める必要があるので、まずは自分軸を確立するのが重要です。



方向性をきめて、価値を積み上げていこう!
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